はじめに

無停電電源装置(UPS)システムやソーラー電力システムのインバーターの電力定格を選定する際、負荷を正確に計算することが重要です。考慮すべき重要な要素の1つが、家電製品のインラッシュ電流です。

インラッシュ電流とは?

一部の機器、特に家電製品は、通常の運転時よりもかなり短い時間(数分の1秒)で多くの電力を消費することがあります。

  • 冷蔵庫:運転電力の5〜8倍
  • エアコンプレッサー:運転電力の4〜6倍
  • 井戸用ポンプ:運転電力の1.5〜2倍

すべての家電にインラッシュ電流があるのか?

必ずしもそうではありません。最新の家電製品には、インラッシュ電流を軽減するための機能が備わっていることがあります:

  • インバータードライブ:モーターがインバーターで制御され、電力が徐々に増加するため、インラッシュ電流が発生しません。
  • ソフトスターター:モーターシャフトの始動をゆっくり行い、その後バイパスに切り替えて直接接続する電力電子機器です。

インバーター選定時にインラッシュ電流を考慮する方法

以下の点を考慮しましょう:

  1. 1kW以下のインバーターまたはUPSユニット:ほとんどのユニットでは冷蔵庫を起動できません。1kW以上のユニットでは問題はありません。
  2. 5kWの48V UPSまたはインバーター:インラッシュ電流は無視し、運転電力のみを重視してください。
  3. 3.2kW以上の24Vシステム:0.75kW以上のエアコンプレッサーやポンプのインラッシュ電流を考慮してください。冷蔵庫については運転電力のみを考慮します。

結論

インラッシュ電流を考慮することは比較的簡単ですが、特に低電力のシステムでは慎重な考慮が必要です。家電製品の要件とインバーターの能力を理解することで、信頼性が高く効率的な電力システムを確保できます。